2012/05/31
Summary(12/05/27)
5月27日主日礼拝「聴いて、信じて、行う」(聖書に戻ろう①)
ネヘミヤ記 / 8章 1-18節
ネヘミヤ記は、私たちに大変興味深い学びを提供している書物である。ユダヤ人の民がバビロン捕囚から帰還した後、ネヘミヤやエズラら指導者によって取り組まれた事業がエルサレムの城壁再建と神殿再建である。エズラ記には、エルサレム帰還と神殿の完成までが記されていおり、ネヘミヤ記には、エルサレムの総督になったネヘミヤと祭司エズラがエルサレムの城壁を再建(※)して、その町を立て直そうとする出来事が記されている。イエス誕生の約500年前のことである。
さらに細かく見ると、ネヘミヤ記の1章から7章には、エルサレムの城壁再建がどのように取り組まれてきたかが記されており、今朝の箇所である8章には、エルサレムの城壁再建という大事業が成功し一段落したあとの状況が記されている。
私たちにとって、なにか事業をなし終えた後というのは、注意して心引き締めなければならないときである。全精力を傾けて取り組んできた大事業がひと度終わってしまうと、その後に気が抜けてしまい、人生に汚点を残してしまうことがよくあるからである。
例えば、エリヤは、バアルの預言者との闘いで大勝利を収めたが、その後、彼の人生に大きな危機が訪れた。あの勇敢だったエリヤが落ち込んで、からだも心もすべてが疲れ果ててしまったのである(列王記上)。
あるいは、ダビデもまたそうである。闘いに次々に勝利を収めていった。そのダビデが勝利した後、悲しむべき大きな罪を冒してしまったのである(サムエル記下)。
そういう意味で、私たちがネヘミヤ記を学ぶ中で、城壁を再建されたその事実だけを学ぶのではなく、その後のユダヤ人の姿を見ることが重要である。ユダヤ人は、城壁再建という大きな事業に成功した後、心を引き締めなければならなかった。ネヘミヤ記8章では、彼らが心引き締めて取り組んだことが記されている。今回のテーマにもあるように、彼らは神のみことば、すなわち律法に立ち戻ることに取り組んだのである。
※エルサレム城壁の再建事業
ペルシヤ帝国の王宮で給仕役(献酌官)として仕えていたネヘミヤは、エルサレムの城壁が荒れ果て、同胞のユダヤ人が悲惨な状況におかれているということを耳にして、王の許しを得て帰国し、エルサレムの改革及び城壁の再建事業に取り組んだ。
-つづく-